カテゴリー「BPM」の8件の記事

Friday, May 27, 2011

Software AG Process Forum 2011

I went to a BPM seminar held by Software AG this week. The location held was at Roppongi Hills, Tokyo. This experience was quite satisfying because some sessions offered so much useful information, especially considering the seminar was free.

The most impressive session I thought was NEC's case presentation. It explained real life example of how they launched BPM project and successfully executed. There was a good balance between concept and methodology. This presentation was the best BPM case study I have ever seen.

Until now, it seems that published BPM case studies are very few. It is true that some cases are presented in past seminars and journals. The companies like Nissan and CASIO are picked up as such examples. I got an impression that NEC presentation this time was the most detailed, concrete and convincing. They hired ARIS consultants in that project, so the methodology is based on former IDS Scheer's.

Following are the points intrigued me through this seminar.

  • definition of KPIs is one of the most essential part of BPM projects
  • BPM tool only accounts for 10% in KSF of BPM. Organization and culture issue is much more important (which is responsible for 60%), and Methodology comes next (30%).

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Monday, March 16, 2009

BPMとBPMツールの関係

Bpm_2 3/10(火)に開催された「第1回 ビジネスプロセスパターン研究(BPP研究)」に参加してきました。社外の勉強会に参加するのは、ほとんど初めての経験だったのですが、様々な経験を持った方々のお話を聞くことができて、よい刺激を受けることができました。今回は会の趣旨や議題を聞くだけで終わってしまった感じもありますが、次回からはテーマに対して自分なりの意見を発表できるように準備していきたいと思います。

BPP研究の目標は、「ビジネスが求めるITを実現するためのフレームワーク」の構築にあると理解しています。私はIT・システムを提供するSIer/ベンダー側の人間なので、どうしてもシステムやツールありきで考えることが多かったです。しかし、最近は勉強会に参加したり、mark-wadaさんのブログを拝見したりする中で、ビジネス寄りの視点でシステムを考える必要性を感じています。

特に、昨年からは仕事でBPMツールを扱っていますが、BPMツール導入のメリットをお客様にアピールするのは難しいと感じています。そこで、「BPM」と「ビジネス」と「システム」の関係を一度整理しておきたいというのが、今回のブログエントリの理由です。
 まず、以下の表を作ってみました(表1)。縦軸は企業が組織的にBPMを実践しているかどうかを示しています。横軸は企業がBPMツール(BPMS)を使用しているかどうかを示します。そして、各象限にはビジネス・システムの視点から見た組織の状況を記述してみました。

表1:BPM取組状況とBPMツール使用有無のマトリクス

BPMツールの利用
ありなし
BPMの実践あり

ビジネスの視点:
業務プロセスの可視化と改善が意識されている。

システムの視点:
機能とプロセスが分離されている。ビジネスルールが分離されている。システムが統合・連携されている。

ビジネスの視点:
業務プロセスの可視化と改善が意識されている。

システムの視点:
従来型のシステム開発。サイロ型・スパゲッティ型のシステム。

なし

ビジネスの視点:
BPMを意識することはない。

システムの視点:
機能とプロセスが分離されている。ビジネスルールが分離されている。システムが統合・連携されている。

ビジネスの視点:
BPMを意識することはない。

システムの視点:
従来型のシステム開発。サイロ型・スパゲッティ型のシステム。

BPMツールを使っていても、組織的にはBPMを実践していないケースが存在すると考えられます。また逆に、BPMを実践しているが、BPMツールは使用していない・もしくは必要ないケースも考えられます。そこで、表1を作ってみたのですが、BPMが目指す理想は左上の象限だと考えられます。しかし、それ以外の象限であっても、企業としてそれなりのメリットを享受できているケースは存在すると思います。また、右下の象限に留まっていても、これまでのやり方でそれなりに業務が回っているというケースもあるかもしれません。

ここで言いたいことは、ビジネスとITをつなぐためには、単なるBPMやBPMツール以外の何かが必要だということです。というのも、ビジネス寄りの人はBPM的な視点から業務を見ていて、システムのことは気にしていないのが普通だと思います。また、システム寄りの人は従来型の機能ベース、もしくはSOA的な視点からシステムを見ているが、システムの開発や保守に忙殺されているかもしれません。この状態では、BPMやBPMツールを取り入れても、企業にとってのメリットが限定的なものになってしまう可能性があります。

これまでビジネスとITを繋いでいたのは、システム開発における「要求分析」や「要件定義」といったフェーズだと思います。「業務プロセスの可視化」というのは、BPMで初めて出てきたものではなく、これまでもシステム開発の上流工程では普通に行っていたことのはずです。そこで、本当の意味でビジネスとITをつなぐためには、単にBPMやツールを導入するのではなくて、以下の2つのいずれかの方法が必要であると考えられます。

  1. これまでのシステム開発のやり方を踏襲する場合、上流工程において、BPMとSOAの両方を意識した「要求分析」や「要件定義」を行う。
  2. これまでのシステム開発に代わる、BPM・SOAならではの開発方法論を導入する。

ビジネスとITを連携させるためには、BPMだけではだめで、BPMツールやSOAだけでもだめで、BPMとSOAの両方を実践・推進していくためのフレームワーク、考え方が必要なのだと思います。今後の課題として、そのようなフレームワークを模索していきたいです。

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Sunday, February 22, 2009

ユーザ目線のBPM

技術評論社:「WEB+DB PRESS」へのリンク 先日、mark-wadaさんにお会いする機会があり、プラントエンジニアとしてのご経験やBPM・SOAに行き着いた経緯を伺うことができました。
 来月からmark-wadaさん主催の「ビジネスプロセスパターン研究(BPP研)」が開始されるそうです。そこに私も参加させていただくことになりました。

mark-wadaさんから「WEB+DB PRESS」Vol.47の記事を紹介していただきました。タイトルは「実践的BPMのための 業務プロセスの設計作法」です。この記事では、mark-wadaさんの業務プロセス設計に対する考えが紹介されています。

この記事の内容に関連して、昔のBPMオフ会で使用された以下のスライドがWebで公開されています。(もっとも、最近のmark-wadaさんは、BPMという言葉自体はあまり使わないようにしているようです。)

第3回BPMオフ会「ユーザ目線の実践的BPM」
http://handsout.jp/slide/408

「WEB+DB PRESS」の記事ですが、ご自身のユーザ企業での経験に基づき、「本当に役に立つITとは何なのか」という観点で業務プロセス設計が語られています。mark-wadaさんの思想は、BPMNとかBPELとかシステムとかはいったん全部取っ払って、そもそも業務とは何なのか、業務プロセスを効果的にモデル化する手法とは何なのかという点を突き詰めていくところが特徴だと思います。

私も以前ビジネスプロセスモデルの粒度に関するブログ記事を書いたのですが、方法論の詳細は全然手付かずの状況です。
 私はこれまでずっとシステムエンジニアとしてのメンタリティだったので、どうしても技術的な視点で考えることが多かったです。しかし、最近は仕事でBPMに関わったり、mark-wadaさんのお話を伺ったりする中で、業務とか経営戦略に興味が沸いてきました。
 ITは目的ではなくて、あくまで業務を支援する手段だというのは確かだと思いますし、これからもビジネスとITをつなぐ効果的な手法を検討していきたいと思います。BPP研の皆様どうぞよろしくお願いいたします。

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Sunday, February 01, 2009

日本BPM協会 BPM入門セミナー所感

BPMのロゴ 先日(1月28日)日本BPM協会主催の「第7回ビジネス・プロセス・マネジメント(BPM)入門セミナー」に参加してきました。
 開催場所は六本木です。このセミナーは半日のみですし、参加料も比較的安いので、BPMの概要や事例をまずは知りたいという方に調度よい内容だと思います。今回は、SIer、エンドユーザ、コンサルティング系など様々な会社から、20数名の方が参加していました。

1.BPMは不況に強いか?

セミナーの冒頭で、日本BPM協会のアンケート結果に関する説明がありました。
業務の可視化・改善サイクルを回している企業の方が好業績(売上高、営業利益率)という傾向があるそうです。好況期はこの傾向が顕著でないが、市場低迷下には違いが顕著に出る傾向があるということです。このあたりは、議論の分かれそうなところですが、BPMの有効性をアピールしていく上では根拠資料として使えそうです(http://www.bpm-j.org/news/release/#000478)。

2.BPMの定義

まずBPMの定義について説明がありました。BPMとは「業務の可視化・実行・継続的改善を促進するしくみ」であると定義されています。BPMはいろいろな捉えられ方をしていますが、このように一言でまとめていただくと、とても分かりやすくて良いなと思いました。

3.BPMのメリット

BPMの狙いとメリットについて、配布資料に様々な側面が取り上げられており、BPMのメリットをあらためて考える上で参考になりました。
 また、今回のセミナーはBPMの理想形・あるべき姿が紹介されているため、BPMS(BPMツール)に関しても様々な機能が紹介されています。私が仕事で扱っているBPMツールには「シミュレーション」の機能がないのですが、今回の説明を聞いて、シミュレーション機能はやっぱりあった方が便利そうだよなーと思いました。

4.BPMとSOAの関係

BPMとSOAの関係に関する説明もありました。日本BPM協会では、BPM(プロセスの設計・実行、プレゼンテーション)とSOA(サービスの設計・実行、アプリケーションロジック)をきっちり分けているようです。
 私はこれまで、BPMとSOAには重なる部分・包含する部分があると考えていたのですが、このようにきっちり分けた方がむしろ分かりやすそうです。そういった意味では、BPMとSOAの関係をあらためて考え直す上で参考になりました。
 ただし、現状ではすべてをサービス化することは難しく、プレゼンテーションと機能が紐付いているケースもあるので、このあたりをどのように扱っていくかをさらに検討していきたいと思います。

5.BPM推進フレームワーク

日本BPM協会が提案する「BPM推進フレームワーク」に関する説明がありました。資料自体はサイトからダウンロードできます。セミナーでは各Stepの詳細やプロジェクトの進め方について話を聞くことができました。「BPMのプロジェクトは従来のビッグバン的アプローチでは成功しない。スモールスタートで始め、成功体験を横展開していくのが通常のパターン」というベストプラクティスを聞くことができたのも良かったです。
 また「BPM推進フレームワークは必ずしも初めからすべてのStep実施するのではなく、職場のレベルに応じて段階的に取り入れていくのが良い」という説明も参考になりました。

6.BPM事例

BPMを導入した3つの企業の事例が紹介されました。どの事例もキーワードは「プロセスの可視化」と「BAMによる状況管理」に行き着くなと思いました。私は製品ベンダー・SIerの立場なのですが、お客様とともに現行の業務をどのように分析・可視化していくのか、が当面の課題となりそうです。

7.システム開発との関連

BPM推進フレームワークには、アプリ開発のフェーズが含まれていません。これは、業務ロジックはSOAのサービスを利用することが前提であり、画面はユーザ主導で作成することを理想形としているためだそうです。
 確かに、画面はBPMツールの画面生成機能で作成し、既存のWebサービスを呼び出すだけであれば、将来的にはユーザ主導のBPMが実現するのかもしれないです。しかし、BPMツールで作成可能な画面には、まだ表示上の制約があったりするので、リッチな画面を作成したいケースでは、SIerがJSPなどで画面を開発する場合もあるかと思います。このような場合でも、将来的にユーザが簡単に修正できるような作りを意識しておく必要がありそうです。
 また、BPMでは短期間のプロジェクトを継続的に数多く回していくことになります。このため、SIerと顧客との関わり方も変わっていくことになるのかもしれません。

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Saturday, December 27, 2008

BPMの情報源

BPMのロゴ 普段、RSSでチェックしているBPM関連のサイト等を以下にあげておきます。

リンクの情報は、随時追加・更新していこうと思います。

  • BPM.com
    http://www.bpm.com/
    A number of contents about BPM are posted. In order to download the articles, registration (free) is needed.
  • 岩田研究所Blog 'Japanese''
    http://tech.jsys-soft.jp/iwaken.php
    日本におけるBPMの老舗(?)日揮情報ソフトウェア岩田さん、明庭さんのブログ。
  • ARIS BPM Blog
    http://www.arisblog.com/
    ARIS関連の記事がやはり多いですが、BPMの潮流を知る上で参考になります。(英語)
  • BPMInstitute.org
    http://www.bpminstitute.org/
    BPM関連の情報が充実しているコミュニティ。(英語)
    RSS配信なし。レポートなどの参照には、有償or無償の会員登録後にログインが必要なので少々敷居が高いです。
  • IT|Redux
    http://itredux.com/
    BPMツールベンダー「Intalio」 Ismael Ghalimiさんのブログ。(英語)

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Thursday, September 18, 2008

Modeling Forum 2008 所感(2日目)

Modeling_forum 今日も昨日に引き続き、午後の数時間を使って「Modeling Forum 2008」に行ってきました。感想については、明日以降さらに追記するかもしれませんが、今日のところはBPMセッションの感想を書いておきます。

BPM推進のための2つの可視化技法 - プロセスモデリングとルールモデリング

日記情報ソフトウェア 代表取締役社長の岩田さんのセッションです。
このセッションは早い時期から予約で満席となっていましたが、期待の大きさ(?)に違わぬ充実した内容でした。

「伝統的なアプリケーション開発では、システムを配備したら開発は終わりだが、BPMではプロジェクトを短いサイクルで継続的に回していく」という説明がありました。この「継続的な改善のサイクル」というのは、BPMを考える上で重要な視点なのでしょうね。本セッションの終わりでも、再度「継続的な改善活動を始めからユーザサイドに根付かせておく必要がある」という話がありました。
そのようなサイクルを回していくためのBPM推進フレームワークとして、日本BPM協会が作成したガイドを紹介していただきました。このガイドは、お客様や社内に向けてBPMの進め方を説明するのに使えそうです。
http://www.bpm-j.org/docs/pdf/bpm_frm_chart2.pdf

また、BPMNに関する説明では、ARISで記述した業務フローをBPMNダイアグラムで表現する例が紹介されていました。BPMNでは人やシステムをプールで表現するわけですが、「人のロールはスイムレーンで表現する」というのを聞いて、BPMN初心者の私にはとても参考になりました。その後、BPMNの3階層モデルについて説明がありました。この3階層モデルは非常に良いですね。業務モデルから実装まで一つのモデルで対応することができるというBPMNのメリットを説明するのに役立ちそうです。

  • 概要モデル
    ビジネスプロセスの可視化。ビジネスアナリストが作成。

  • 詳細モデル
    ビジネスプロセスのモニタリングを考慮して詳細化。イベント、ループなど詳細な振る舞いを定義。

  • 実装モデル
    BPEL生成を意識したモデル。Webサービス呼び出しや例外・補償処理などを考慮。

ここまでが「プロセスモデリング」に関する説明でした。この後で、もう一つのテーマ「ビジネスルールモデリング」に話が移ります。「ルールとプロセスを分けることにより、複雑なプロセスをシンプルにすることができる」というのは、やはり大きなメリットだと感じました。BPMNのモデルを描いていくと、アクティビティの中にディシジョンが内在するケースが確かに多いのではないかと思います。このようなディシジョンをサブプロセスとして定義するのか、ルールとして定義するのかというのは、大きなテーマとなりそうですね。

また、ビジネスルール管理(BRM)というのは、今後のテクノロジーだと思っていたのですが、すでに「JBOSS Drools」や「VisualRules Modeler」というツールがあるのですね。画面を見る限り、グラフィカルにルールを定義できてなかなか便利そうです。ルール表記法(ディシジョンテーブル、WHAT IF、ディシジョンツリー)や、ビジネスルールの2階層モデル(ビジネスビュー、ITビュー)について説明していただき、今まで知らなかったBRMの世界にふれることができました。岩田様、本日はどうもありがとうございました。

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Wednesday, September 17, 2008

Modeling Forum 2008 所感(1日目)

Modeling_forum 今日の午後、アレア品川で行われた「Modeling Forum 2008」に行ってきました。BPM・SOA関連のセッションを主に聴講しましたが、他社の製品や事例を見ることができてなかなか参考になりました。いくつかのセッションについて、感想を以下に書いておきます。

コンポーネントベースモデリングによるSOAの実現

日立製作所で基盤ミドルウェアの開発部署に所属している方がプレゼンテーターでした。

業務を「サービス」として捉え、サービスの内部を「コンポーネント」として実装する方法を紹介していました。このやり方は、最近のオブジェクト指向やコンポーネント開発に慣れた人には確かにしっくりくるように思います。
また、ツールを使った開発方法論としては、上流工程の「モデリングツール」と下流工程の「設計ツール」を分けていて、その間のマッピングを行っているようです。

 要件定義・基本設計フェーズ
  ビジネスプロセス設計(ビジネスプロセスモデリング)

  ↓ UMLのステレオタイプとして記述した定義をエクスポート

 詳細設計・実装フェーズ
  サービス設計(コンポーネントベースモデリング)

私も現在の仕事でBPMツールを扱っていますが、上流工程で作成した業務モデルを実行可能なモデル(BPEL)に落とし込む方法が、あまり明確ではありませんでした。このセッションを受講して、上流のモデルを下流の実装に変換する際のヒントが得られたので良かったです。私が業務で使っているBPMツールでは、BPMNからBPELへのマッピングを同一ツール上で行うことも可能なので、このあたりのメリットを今後アピールしていきたいと思います。

サービスのモデリングにおける設計検証

NECでツールの研究・開発を行っている部署の方のセッションです。
UMLモデルを検証し、モデル定義に問題がないかどうかをチェックするツールの説明でした。確かにビジネスプロセスが複雑になってくると、定義したプロセスに問題(業務ロジックの誤り、セキュリティ上の問題など)がないことの検証が重要になるかもしれませんね。

NECさんが提供しているツール「SystemDirector Application Modeler」では、UMLモデルの検証が可能だそうです。現時点では手動でUMLモデル(状態遷移図)を定義し、制約を付加しなければいけないようなので、ちょっと面倒かもしれません。今後、BPMNからUMLモデルへの変換が自動的に行われて、検証結果が得られるならば便利そうですね。まだ研究段階のツールだとは思いますが、将来に向けてこのような技術に着目しておいてもよいかもしれません。

人の判断と業務システムの統合により、変化への迅速な対応を実現するBPMソリューション

富士通のSOAに対する取り組みを紹介したセッションでした。プレゼンテーターはソフトウェア事業本部の担当部長の方です。

最近は従来のサーバ更改やインフラ整備に加えて、業務統合や全体最適に関する商談が増えているそうです。セッションでは、SOA適用に向けた4つの導入パターンを紹介していて、この分類はSOAのメリットをアピールする上でなかなかわかりやすくてよいなと思いました。

・段階的なシステム再編
→ESBによって既存システムを連携し複雑な関連を可視化。
 このようなことはBPMツールでも可能ですが、ESBのメリットはやはりアダプタやデータ変換の仕組みを標準で持っていることかもしれません。

・ユーザ利便性の向上
→シングルサインオン、ポータル、Ajaxによる操作性の向上など。

・業務データのスピード活用
→高速なデータ処理技術。
 なるほど、このような切り口もあるのですね。

・業務プロセスの改善
→今日のメインテーマです。

BPMソリューションとして、「Interstage Business Process Manager」というEclipseベースのBPMNモデリングツールを紹介していました。この「Interstage Business Process Manager」は、フローを縦書きにできるのがよいですね。私が扱っているBPMツールでは、フローは横書きにしか対応していません。。。
また、合議処理やタイマー監視によるメール送信・エスカレーション機能も備えていて、ワークフローを意識している印象です。シミュレーション、監視、分析機能も標準提供しており、なかなか便利そうでした。最後にカタログ製作会社の事例が紹介されましたが、このようにプロセスのインスタンスが並列していくつも実行されるような業務では、確かに監視・分析機能は必須かもしれないですね。

スライドに、「BPMによるシステム進化とは『人の作業』と『システム連携』を分離すること」というような表現がありました。このような分離は、最近私もBPMツールを使う上で感じていたことです。明確に言葉にしていただいたおかげで、もやもやしていた部分がクリアになると同時に、頭を整理する上でとても参考になりました。

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Sunday, May 25, 2008

BPMがビジネスを変える

Bpm_biz 日本ユニシスのBPMコンサルタント(統括パートナー)の方が書かれた本です。まさに著者渾身の一冊というか、中身の濃い本でした。きっと著者がこれまで歩まれてきたコンサルタント人生が凝縮されているのだろうなーと、感心しながら読ませていただきました。

先日読んだ「詳説ビジネスプロセスモデリング」では、BPMで分析したプロセスをシステムに落とし込む際の技術的なアーキテクチャを扱っています。一方、この本ではBPMプロジェクト自体をどのように推進し、業務に取り入れ、改善のプロセスを回していくのかを解説しています。そういった意味では、ビジネス寄りの本なのですが、後半(第5章以降)では、システム・実装寄りの話も展開されていますので、このあたりはIT技術者にとっても興味深いところだと思います。

第5章:
SOAとの絡みや、日本ユニシスにおいて、BPM・SOAプロジェクトを推進していくためのアプローチが紹介されています。このアプローチでは、以下の3つの観点からシステム化を行っているようです。

SOA Analyze
BPMアプローチに基づいて現状業務の状態を可視化し、最適化したビジネスプロセスを設計する。汎用性の高い「サービス」としての括りの候補を抽出する。

SOA Architect
サービスの機能定義を行い、既存システムとの整合性を取りながら、実装可能なサービスを定義する。

SOA Apply
具体的な既存システムとの連携方式や実行基盤となるプロダクトセットを決定する。

第6章
一般的に、システムの開発と導入自体が目的化してしまうことはよくあることだと思います。しかし、システム導入後に業務プロセスをKPIで評価・改善してこそ、BPMの本来の目的を果たせることになります。そのためには、業務プロセスの効率や状況を評価する指標(KPI)を要件定義フェーズから検討しておくことが必要だと述べています。そして、技術的にはPPMやBAMといった仕組みにより、運用後の業務プロセスを可視化することになります。

前半も読み応えあり:
本書の前半では、SCM・CRM・内部統制などの局面において、BPMを推進することのメリットや考え方についても触れられています。この辺も興味深いところです。実はこの辺りは、まだちゃんと読んでいないのですが、これから一通り読んでおこうと思います。(技術者としては、技術や製品ばかりを追いかけてしまい、業務の観点がおざなりになってしまいがちです。ちょっと反省・・・)

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