ボトムアップのSOA
日経SYSTEMS 2009年4月号に「事例に見るボトムアップのSOA」という記事が特集されていました。
この記事では5つのSOA事例が紹介されています。この5つの事例に共通するのは、全体最適を目指してトップダウンでSOAを導入したわけではないという点です。
システム要件や実装の観点から、望ましいアーキテクチャ設計を追及していった結果、最終的にSOAに行き着いたというのが特徴です。
BPMの目的が業務プロセスの可視化と改善にあるように、SOAの目的はサービスの可視化と連携・拡張にあるとも言えそうです。実際、この記事で取り上げられている5つの事例は、どれもシステム連携と拡張性を追求した結果、SOAの採用に至っています。使用したツールやSOA基盤は様々ですが、ボトムアップのSOAを実践した結果、それなりの効果をあげているようです。
このことは、ユーザ企業にとっては良いニュースだと思います。なぜなら、全社的に多くの予算をかけなくても、現場主導でボトムアップ的にSOAのメリットを享受できる可能性があるためです。一方で、製品・ツールベンダーにとっては良い点と悪い点の両方がありそうです。
良い点は、ユーザ企業にとってSOA導入の敷居が低くなれば、SOA関連製品の導入が加速することが考えられるという点です。それに付随したSOA導入コンサルティングの需要が増える可能性もあります。
悪い点は、大規模なSOA導入事例が少なくなり、小規模なボトムアップのSOA導入が増えることで、ツールのライセンス収入があまり見込めなくなるという点です。
この「ボトムアップのSOA」という観点は、BPMにも適用することができそうです。「ボトムアップのBPM」という切り口で、BPMツール導入のメリットをうまくアピールできないものかどうか、一度検討してみたいと思います。
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