カテゴリー「読書」の10件の記事

Tuesday, June 02, 2009

案本 「ユニーク」な「アイディア」の「提案」のための「脳内経験」

山本高史:「案本」へのリンク(Amazon.co.jp)

電通でコピーライターをやっていた方が書いた本です。有名なコピーは、特殊な才能や感性を持った人が芸術的なひらめきで生み出すイメージがあります。しかし、本書を読むと実はちょっと違うということがわかります。本書のメインテーマは「経験の重要性」です。

ユニークなアイディアや提案に価値があるのは確かです。しかし、そのような「ユニーク」さには危険な側面もあります。ユニークでインパクトのあるアイディアであっても、独りよがりなものであったら、本書でいうところの「ユニークの暴走」でしかないわけです。広告業界というのは、インパクトが勝負だと思っていましたが、あくまでもクライアントあっての商売であり、やはり目的はクライアントの商品を売るところにあります。

単に奇をてらったユニークさや、薄っぺらな言葉遊びに陥いってしまったのではプロではないわけです。そこで必要なのが、コピーライターの「経験」ということになります。本書では「頭の中の水がめ」や「経験データベース」と表現されていますが、経験や知識の幅が少なければ、それなりのコピーしか書けないわけです。人を動かすコピーを作るためには、経験・知識を増やしていく必要があります。そこで、どのように経験を増やしていけば良いのかについて、著者の考え方が述べられています。

著者は「経験」を以下の3つに分類しています。

  1. 実経験
  2. 擬似経験
  3. 脳内経験

実経験と擬似経験には、それぞれメリットとデメリットがあり、それを補うのが「脳内経験」だということです。脳内経験は「考える」という行為で増やすことができ、物理的な制約を超えることも可能です。脳内経験は「脳内アングル」と「脳内ツリー」という2つのツールから構成されています。これらは様々な角度から多面的に考えるマインドマップのようなツールだと私は理解しました。これらのツールを使うことで、全体を把握し、主観(偏見)を排除することが可能となります。

脳内経験を増やしていくことにより、一つのテーマに対して様々な切り口でアイディアを出すことができそうです。これは、説得力や深みのあるコピーを生み出す上で有効な方法だと思いました。また、私が仕事で扱っているようなIT関連の製品やサービスを提案していく上でも役に立つ考え方だと思います。

様々な物の見方を許容するということは、結果的に偏見を減らして、豊かで幅広い人生を生きていくことにもつながると思いました。私は最近、仕事が結構忙しかったりして、新しい情報や考え方を受け入れる余裕が無くなっていた気がします。常に心を柔軟にして、経験や知識の幅を広げていくように意識していきたいものだと思います。

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Monday, May 11, 2009

世界連鎖恐慌の犯人

堀紘一:「世界連鎖恐慌の犯人」へのリンク(Amazon.co.jp) ドリームインキュベータ 会長の堀紘一さんが著者です。金融業界のタブー(と思われる)点にも踏み込んで、世界的な金融危機の原因と今後の影響を語っています。まえがきでも書かれているように、堀さんの熱い思いが形になった本ですので、内容も面白くてかつわかりやすく、一気に読んでしまいました。

昨年読んだ「サブプライム後に何が起きているのか」では、証券会社と格付機関が仕組んだ「証券化商品」が金融危機の原因として取り上げられていました。本書では、さらに具体的に「インベストメントバンク」、「ヘッジファンド」の実情が取り上げられています。MBAの成績上位者がインベストメントバンクに就職する話や、多数の弁護士を抱えて法律ギリギリの範囲で巧みに利益をあげている話など、興味深く読むことができました。

本書では、金融工学を駆使した「デリバティブ」を取り上げ、実体に基づかない虚業(マネーゲーム)であると指摘しています。そして、アメリカ発の「金融資本主義」(虚の経済)ではなく、実体に基づいた経済への回帰を提言しています。

確かに、インベストバンクの給料はなぜあれほどまでに高いのか不思議でしたが、金融工学というマジックが生み出したバーチャルな利益が高収益を支えていたわけです。デリバティブが原油や原料価格の乱高下を招いたり、前提が破綻して莫大な損失をもたらした現状を見ると、アメリカ発の「金融資本主義」とはいったい何だったのかと考えさせられます。

本書を読むことで、「金融」の裏で動いていた仕組みの一端を垣間見ることができます。一個人としては、今後の資産設計を考える上でも、表面的な情報だけを鵜呑みにせずに、背後で動いている仕組みやカラクリを自分なりに考えて、判断していくことが大事だなという感想を持ちました。

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Thursday, April 23, 2009

レバレッジ・マネジメント

本田直之:「レバレッジ・マネジメント」へのリンク(Amazon.co.jp) 本田さんのレバレッジシリーズでは「DMWL(Doing more with less)」という、レバレッジを効かせて効果を得るための読書術、勉強法、人脈術などが紹介されてきました。(当記事の最後に、過去の感想へのリンクを載せておきます。)

本書も「DMWL」の考え方が根底にありますが、対象が経営者という点が特徴です。しかし、経営者ではなくても仕事の中で何らかのマネジメントやビジョン検討に関わっている人には、参考になる部分の大きい本だと思います。

著者の本田さん自身が企業の経営に携わっているという点も、本書の価値・説得度を高めています。「はじめに」でも書かれていますが、本書は小手先の経営手法を紹介した本ではなく、経営者が持つべき基本的な考え方(思考のOS)を紹介した本です。

本書の構成は以下のようになっています。

1.経営者のレバレッジ
2.戦略のレバレッジ
3.営業のレバレッジ
4.ブランドのレバレッジ
5.仕組み化のレバレッジ
6.組織のレバレッジ

この構成自体が、企業を動かしていく上で重要なポイントを表していると思います。本書では、まず「経営者」として必要な考え方・スキルを取り上げ、次に「戦略」を立てていく上で考慮すべきポイントが示されています。そして、「営業」をどのような方針で行うべきか、「ブランド」構築により会社経営のレバレッジをいかに高めていくかが取り上げられています。最後の方では、「仕組み」を作り上げることの重要性と「組織」をコントロールし成長させていく上での考え方が示されます。

本章は合計68の質問とその説明から構成されています。各質問は上記の6つの章にカテゴライズされています。この68の質問は、レバレッジ・マネジメントを実践できているかどうかのチェックリストとしても利用できます。

仕事が忙しくなってくると、どうしても目先の仕事に追われるようになってしまいがちです。その努力が正しい方向に向かっていればよいのですが、そもそも方向性が間違っていたら、仕事が大変になるばかりで効果は上がらないという自体にもなりかねません。

そこで、経営者の役割は、会社を正しい方向に進めるための意思決定であったり、社員が力を発揮できるための仕組み作りにあるともいえるのかもしれません。私は経営者ではないのですが、自分の力の及ぶ範囲で、できる限り仕組み化やレバレッジを利かせた仕事の進め方を意識していきたいと思います。


以下は、 過去のレバレッジシリーズの感想です。

レバレッジ勉強法
http://rich-life.air-nifty.com/blog/2008/03/post_a5fa.html

レバレッジ・シンキング
http://rich-life.air-nifty.com/blog/2008/06/post_f8af.html

レバレッジ人脈術
http://rich-life.air-nifty.com/blog/2008/05/post_ac89.html

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Sunday, January 18, 2009

成功本51冊もっと「勝ち抜け」案内

水野俊哉:『成功本51冊もっと「勝ち抜け」案内』へのリンク 半年ほど前に、前作(成功本50冊「勝ち抜け」案内)をすでに読んでいたので、正直それほど期待はしていませんでした。
きっと、書評の数が増えただけで、前作の二番煎じにすぎないのではないかと・・・。しかし、本書を読んで本当に良かったです。というか、本書に出会えたことに感謝しています。

書評は前回と同じ形式で、比較的新しい本がとりあげられています。そして、より実践的な書籍やスピリチュアル系の書籍も多く取り上げられているのが特徴です。しかし、私が本書を読んで良かった!と思ったのは、書評の部分ではなく、巻頭、巻末のPart1とPart3です。

まず、Part1では「成功法則ベスト10<応用編>」として、著者の考える成功法則ベスト10が解説されています。今回の<応用編>を読んで、私はガツンとやられた気がしたのです。前作でも「10の成功法則」が解説されていました。そして、私はその内容を十分理解していると思っていたのですが、実はわかったようでいて全然実践できていなかったことに気づいて、愕然としたのです。

特に自分がわかったようでいて、全然実践できていなかったな・・・と思ったのが、第9位の『「未来日記」と「成功日記」を書く』と第6位の「ツキを味方にする」です。私は、これを読んで早速今年用の日記帳を買ってきました。そして、年初より日記を書き始めています。そして、本書でも紹介されていた佐藤富雄さんの「富豪塾」を読んだりして、夢や理想を文章に書いてみることの重要性をあらためて感じています。

また、「ツキを味方にする」についてですが、最近の私は周りの人たちに感謝することを忘れていたということに気づかされました。正直、最近の私は何か違和感というか、波に乗れていない感覚を持っていたのです。本書を読んだことによって、その理由が、妻とか会社とか、いろいろな物事に感謝するのではなく、不満の気持ちの方が大きくなってしまっていたためだったことに気づいたのです。さらには、自分の力でがんばりすぎるのではなく、潜在意識とかもっと大きな力の存在を認めることも大事だということにも気づかされました。

Part3では、著者の「水野俊哉」さん自身の成功ノートや未来日記が紹介されていて、単純に読み物としても面白いのですが、自分が成功法則を活用していく上での参考になりました。

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Sunday, January 04, 2009

でっかく考えて、でっかく儲けろ

ドナルド・トランプ&ビル・ザンカー:「大富豪トランプのでっかく考えて、でっかく儲けろ」へのリンク タイトルを見て、敬遠してしまう人もいるかもしれませんが、必ずしも「儲ける」ことばかりを取り上げた本ではないです。原書のタイトルは「Think Big and Kick Ass」なので、「でっかく考えて、とことんやれ」の方が本書の意図に近いです。

とはいえ、超やり手の不動産王 ドナルド・トランプ氏の本だけに、「借りは10倍にして返せ」など、ちょっと言いすぎではないか??という項目もあります。しかし、全体的には元気をもらえる内容でした。全編を通して、「大きく考えろ!目標に向かって、情熱を持ち続けろ!決してあきらめず、完膚なきまでにとことんやれ!」というメッセージに満ちています。

先日読んだ「戦わない経営」が母性的なビジネス論だとすると、本書はまさに父性的要素に満ちています。先日の日記でも書いたように、これからの時代は「戦わない経営」が主流になっていくと個人的には考えています。しかし、父性的な厳しさが必要な局面というのも、やはりあると思いますので、たまにはこのような本を読んで喝をいれてもらうのもよいものですね。

本書は、「いけいけどんどん」に偏りすぎているきらいはありますが、結局のところバランスの問題で、母性的な側面と父性的な側面の両方が必要なのだと思います。トランプ氏はかなりの自信家ですが、かつて破産の瀬戸際まで追い詰められて、復活した過去をもつためか、以下のように慢心を戒めているのも良い点です。

 わたしは正直かつ誠実な人物を雇うようにしている。わたしは誠実さに重きを置く。わたしは腹蔵のない人物を、正直で素朴な人物を好み、自分の能力や値打ちを過大評価する人物を避ける。自信を持つのは良いことだが、うぬぼれはそのかぎりではない。
 わたしは慢心していないし、慢心した人間とは無縁でいたい。慢心した人間に迎合する暇などない。あなたが心して探すべきなのは、勤勉で、誠実で、学習意欲が高く、挑戦を歓迎する人物だ。


以下は個人的なメモです。

「努力すればするほど、わたしの運は上向くんだ」(p.131)

幸運はそう何度もめぐってくるものではない。だから、めぐってきたときには、どれほどきつくても努力を惜しまず、幸運を一〇〇パーセント利用する必要がある。運が味方してくれているあいだは、遠慮や躊躇などいらない。あなたは人生最大の成功をめざして行動を起こすのだ。"でっかく考えろ"とは、まさにこのときのための言葉である。(p.138)

でっかく考える人々は、目前の状況からポジティブな結論を導き出す。あなたも状況からポジティブな結論を導き出す習慣をつけなければならない。一日の始まりには、こう自分に言い聞かせよう。
「今日はすばらしい日だ。わたしは世界で最も偉大な国に住んでいる。わたしにはすばらしい仕事がある。生きることはすばらしい。今日も成功のチャンスに数多くめぐり会えるはずだ」(p.300)

でっかい難題にぶつかったときは、物事が現在どうなっているかではなく、物事が将来どうなりうるかに焦点を当てるといい。(p.319)

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Sunday, November 09, 2008

「心の翼」の見つけ方

Kokoro_tsubasa_2 読後感のさわやかな本でした。内容自体は、自己啓発書や東洋哲学系の本にすでに書かれていることだとは思います。しかし、様々な「思い込み」が知らないうちに私たちの幸せや可能性を制限していることにあらためて気づかせてくれます。

本書の特徴は、心理学者や宗教家やセラピストではなく、現役の事業家が心の問題を語っているところにあると思います。著者も若い頃はいろいろと悩むこともあったようですが、その中で周りの人々を幸せにする経営のあり方を発見していったようです。本書では、私たちの「思い込み」を捨てるための8つの習慣が語られています。

  1. 「自分にはできない」という思い込みを捨てる
  2. 「失敗しちゃいけない」という思い込みを捨てる
  3. 「仕事は嫌なこと」という思い込みを捨てる
  4. 「運はコントロールできない」という思い込みを捨てる
  5. 「お金は汚いもの」という思い込みを捨てる
  6. 「自分らしさは悪いこと」という思い込みを捨てる
  7. 「成功しないと幸せになれない」という思い込みを捨てる
  8. 「自分は一人で生きている」という思い込みを捨てる

文体や書いてある内容がとてもわかりやすく読みやすいので、一気に読めてしまいます。最後の章で語られているように、人間の成長と成功の度合いを測る尺度は、「どれだけ感謝の心を持ち続けられるか」と、「どれだけ周囲の出来事を自分の責任として捉えられるか」というところにあるのかもしれません。

私たちをしばる思い込みというのは、子供時代に形成されることが多いと思います。本書の考え方に子供のうちから出会うことができたら、より前向きなより自分らしい人生を作り出していく手助けになるのではないでしょうか。

私も自分の心と時々対話して、不要な思い込みを取り去っていくようにしたいものです。そして、子供たちの世代の見本となるような生き方をしていきたいものだと思います。

お気に入り度:★★★★

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Monday, November 03, 2008

ガラクタ捨てれば自分が見える

カレン・キングストン:「ガラクタ捨てれば自分が見える」へのリンク イギリスの風水師の方が書いた本です。風水とはいっても、「この方角にこの色のインテリアを置いた方が良い」という話はでてきません。内容は、「ガラクタを捨てること。部屋の中を整理すること。」に特化しています。

「ガラクタ」とは「ゴミ」だけを意味するのではなく、「今はもう使わなかったり、気に入らないのになかなか捨てられないもの」や「いつか整理しようと思ってそのままになっているもの」などが含まれます。このような「ガラクタ」は、無意識のうちに私たちのエネルギーレベルを下げて、新たな活動のエネルギーを奪ってしまうそうです。

Amazonの書評でも様々な人が書いていますが、この本を読むと「部屋を片付けなければ!」という気持ちにさせられます。そして、駆り立てられるように部屋の整理を始めると、実際に心がすっきりとしたり、運気がよくなったりと、効果を目に見えて実感できるのが特徴だと思います。

とはいえ、実際に部屋を片付け始めるのには、人によって最適なタイミングというのがあるのかもしれません。私がこの本を買ったのは2年ほど前です。その当時は、この本の始めの辺りを読んで、「部屋を片付けなければ!」と思ったのですが、なぜかあまり片付けが進まず、本も読みかけのままになっていました。

最近、この本が再び目に留まり、最後まで読んでみたのですが、今回は「絶対、部屋を片付けるのだ!」という強い意志が沸いてきて、毎日少しずつ片付けを進めています。引越し以来そのままになっていたダンボール箱の中身や、散らかっていたリビングを片付け始めると、確かに心がすっきりしてきます。そして、部屋が片付いてくると、なぜか新しい目標への意欲が沸いてきたりするのが不思議です。私は片付けを始めてから、来年の目標がすでに3つほど出てきました。

部屋や押入れに溜まっているものを整理することには、風水的なスピリチュアルな意味もあるのかもしれませんが、やはりなんといっても、いらないものを整理することで、自分の中の気持ちや優先順位が整理されることが大きいと思います。いらないものを選り分けて処分することで、今の自分にとって本当に必要なものは何かということが見えてくるのです。そして、要らないものが無くなったその新しい隙間に、未来へのエネルギーが流れ込んでくるのだと思います。

自己啓発系の書籍は、読んでも実践しなければ意味がないとよく言われますが、この本はまさに実践がすべてだといえます。そして、実践すれば確実になんらかの形で効果が現れます。(少なくとも、部屋が綺麗になって、気持ちよくすごせます。

新しい習慣を身につけようと思うと、往々にして三日坊主で終わってしまったりすることがあるかと思います。しかし、余分なものを溜め込まず、身の回りの環境を整理するという習慣はこれからも継続して実践していきたいです。

なんといっても、この本を読んであらためて学んだことは、「環境はその人の心の状態を表す」ということですので。

お気に入り度:★★★★★

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Saturday, October 18, 2008

バビロンの大富豪

ジョージ・S・クレイソン:「バビロンの大富豪」へのリンク 初版1926年のロングセラー作品です。古代バビロンの城壁都市が物語の舞台となっています。

本の中に出てくる人たちは、大金持ちもいれば、豊かな生活を夢見る普通の人たちもいます。奴隷という立場を克服して、大富豪に転身した人もいます。

この本には、いくつかの教訓が出てきます。例えば、以下のような内容です。

  • 収入の一部は使わずにとっておく。残りの金の範囲内で生活する。
  • 貯めた金は、そのままにせず投資をして増やす。
  • 与えられたチャンスは躊躇せずに活用する。
  • ただし、判断は慎重に行う。先人の知恵に耳を傾け、怪しい話には乗らない。
  • 「働く」ことが、幸福と豊かさをもたらす。

それぞれの教訓自体はある意味常識というか当たり前の内容です。しかし、古代バビロンの登場人物たちの生き様を通して、それらの教訓が語られているため、内容に重みがあるように感じられ、心に響くのがこの本の良いところだと思います。特に最後の章で「シャルゥ・ナダ」が語った話は、働くことの素晴らしさが伝わってきて感動させられました。

この本全体を通していえることですが、楽をして儲けるのではなく、こつこつと勤勉に正しい選択を行っていくことの重要性が語られています。流行に左右されない本質的な教訓が語られていて、今の時代においても十分参考になる本だと思います。

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Sunday, July 27, 2008

成功本50冊「勝ち抜け」案内

水野俊哉:「成功本50冊「勝ち抜け」案内」へのリンク 装丁やタイトルなど一見怪しそうですが、内容は非常に濃い本でした。この本では、いわゆる「成功本」を以下のような5つのジャンルに分けて紹介しています。

 1.基本・古典
 2.ビジネス・経営
 3.投資
 4.独立系・戦術
 5.背景知識

それぞれの書籍のエッセンスを1ページにまとめ、その後に著者の解説が加えられています。ナポレオン・ヒルや中村天風先生のような古典から、「夢をかなえるゾウ」のような最近のベストセラーまで幅広くとりあげており、今後読みたい本を見つける上で参考になりました。最後の章では、筆者がこれまで数百冊読んだという成功本から抽出したエッセンスを「10の成功法則」にまとめてくれています。こちらも参考になります。

「成功本」とは、人生をより豊かで充実したものにしていくための参考書だといえるでしょう。「成功」を目指すためには、「自分にとっての成功・豊かさとはいったい何なのか」を明確にすることがまず重要だと思います。自分にとっての「成功」の定義が誤っていたら、どんなにがんばっても本当の幸せからは遠ざかってしまうからです。

自分にとっての「成功」の定義が明確になったら、あとはこのような本を参考にして、日々実践とフィードバックを継続していけばよいでしょう。私も自分にとっての成功や幸せの意味を時に振り返りつつ、より豊かな人生を実現していきたいと思います。

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Sunday, May 18, 2008

はじめての課長の教科書

Kacho_2ベストセラーということで、読んでみました。「経営」や「リーダー」のあり方について語った本はたくさんありますが、「中間管理職(課長)」に脚光を当てた本は少ないと思います。そのような点でも、興味をそそられました。

私が勤務している会社は、組織階層や文化の点において、比較的フラットな会社だと思います。実際「課長」や「部長」といった呼称はありませんし、肩書きが幅を利かせるということは少ないです。しかし、組織である以上、何らかの指揮系統や階層構造が必要なのは事実です。

私はこれまでシステムエンジニアとしてやってきました。しかし、だんだんと組織の目標や予算について意識しなければならない立場に近づきつつあると感じています。本書では、日本企業において課長が果たしてきた役割を評価するとともに、将来に渡って組織を動かしていく上で、課長の業務が重要であることを説明しています。課長の役割、必要なスキル、課長が遭遇する課題などを、網羅的に取り上げてくれています。

経営者のビジョンと現場の間を取持つ仲介者として、課長の役割が大きい点は確かに納得です。今後、中間管理職的な役割が必要となりつつあるエンジニアとして、課長の業務がどのようなもので、どのような心構えが必要なのかを知ることができ、参考になりました。

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