BPMツールとは何か
先日、「BPMとBPMツールの関係」というブログ記事を書きました。その理由ですが、一般に「BPM」と「BPMツール(BPMS)」が一緒に語られる(ごちゃ混ぜになってしまう)ことが多いと思ったためです。
実際のところ、BPMとBPMツールは全く別のもので、それぞれ単体で導入が可能です。そこで、前回の記事ではBPMとBPMツールの関係を整理しようと試みました。
ただし、なかなかうまく整理するところまではいかず、最終的には「BPM、BPMツール、SOAをうまく繋ぐ方法論が必要」という課題を提示して終わってしまいました。
この「ビジネスとITを繋ぐ方法論が必要」という考えは今でも同じです。今月から始まったBPP研(ビジネスプロセスパターン研究)に参加する上での私の問題意識もそのあたりにあると考えています。ちなみに、来月のBPP研のテーマは「ビジネスと業務の構造化」ということですので、自分なりに業務をどのようにモジュール化できるかを考えていきたいと思います。
一方、今回のブログ記事の目的ですが、「BPMツール」の定義を明確化することです。前回の記事でBPMとBPMツールの関係を整理してみましたが、そもそもBPMツールとは何なのか、何ができるのかをここで明確にしておきたいと思ったのです。今回のブログ記事を書くにあたっては、以下の記事が参考になりました。
CIO Online : 「BPMツール選択ガイド」
http://www.ciojp.com/contents/?id=00002398;t=10
この記事に書かれているBPMツールの定義をまとめると以下のようになります。
1.BPMツールの定義
「人やシステムが行うビジネスプロセスの管理・監視を自動化するためのソフトウェア」
2.BPMツールが提供する機能
次に、「BPMツールを使うと何ができるのか」ですが、「日経SYSTEMS 2008.9号」の記事は、BPMツールが提供する機能を以下の3つに分類しています。
- モデリング機能(ビジネスプロセスの設計・可視化)
- プロセスの構成要素に実行プログラム(Webサービスなど)をひも付ける機能
- BPELなどで記述されたプログラムを実行する機能
一方、前掲の記事「BPMツール選択ガイド」では、BPMツールの機能を以下の3つに分類しています。
- モニタリング・ツール
(プロセスを監視し、イベント発生時に関係者に通知する) - ワークフロー・ツール
(定義されたフローに基づいて、プロセスを実行する) - EAIツール
(システム統合を支援する)
こちらの定義の方が、BPMツールの機能全体を網羅していると思います。日経SYSTEMSの記事は、2つ目の「ワークフロー・ツール」の部分にフォーカスしているのだと言えそうです。そこで、当ブログ記事では、BPMツールが提供する機能を以下のように整理しておきたいと思います。
BPMツールが提供する機能
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3.上記の定義は何に役立つか?
上記のように「BPMツール」を整理しておくことで以下のメリットがあると考えています。
ユーザにとってのメリット:
BPMツール導入を検討する際の評価軸として使用できます。
ベンダーにとってのメリット:
BPMツールについて説明・議論する際、内容を漏れなく網羅するためのマップとして使用できます。
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