「仕組み」仕事術
「仕組み」関連の本は過去にも何冊か読んだことがありますが、今回は特に「仕組み」を前面に打ち出した本書を読んでみました。
思えば、最近私はあまりブログを更新できていない状況です。言い訳ではないのですが、会社でやるべき仕事が最近多い気がします。ただ、それらの仕事をすべてやろうとしたら、いくら時間があっても足りません(自分の「コピーロボット」がいれば良いのですが)。
しかし、限られた時間の中で、ある程度のクオリティのアウトプットを出さなければならないわけで、そのためには、どうしても仕組み化が必要だと最近思っています。本書では「仕組み」を以下のように定義しています。
仕組みとは、「誰が、いつ、何度やっても、同じ成果が出せるシステム」のこと。
また、著者は仕事の内容を以下の2つに分けています。
- 「作業系」の仕事・・・あまり頭を使わずに処理できる仕事。ルーチンワークなど。
- 「考える系」の仕事・・・頭を使って考える必要がある仕事。新規事業のプラニングなど。
「作業系」の仕事を仕組み化することで、時間と労力を徹底的に効率化し、生まれた時間と労力を「考える系」の仕事に充てるべきというのが、本書の主張するところです。
その「仕組み」を作る時間がないんだよなーという言い訳が出そうですが、なんとか「仕組み」を作らないことには、いつまでもやるべき仕事と時間に追われる「ラットレース」になってしまいます。時間はコントロールすべきものであって、時間の奴隷になってはいけないというのも確かです。そういった意味で本書は、「自分は仕事に追われていないか?作業系の仕事を仕組み化することで、付加価値の高い仕事にもっと専念できないか?」ということを思い起こすための良いリマインダーとなってくれそうです。
第3章では、「データ管理」「タスク管理」「メール処理」などを効率化するためのアイデアが紹介されています。これらの内容は、すでに実践している方も多いと思いますが、さらなる効率化を考える上でのヒントにはなると思います。また、第4章では、仕組みで考えるための7つの習慣が述べられています。
- 楽することにこだわる
⇒ 誤解されそうな表現ですが、「手を抜く」こととは違います。質の高い仕事を、楽に実現できるような「仕組み」を作り上げるということです。 - シンプルに考える
- 記憶せずに、記録する
- わからないことは聞く
- 自分の時間を、時給で判断する
⇒ 自分の時間単価を意識し、他の人がやる方が効率的(低コスト)なことは、自分ではやらない - うまくいっている人の真似をする
- 自分を「型」にはめる
⇒ 自分を動かすルール・仕組みは自分で作る
「仕組み」を作るためには、誰がやってもできるレベルにまで落とし込まないといけないわけで、そのためには経験と仕組み化の労力が必要です。
しかし、一度仕組みを作ってしまえば、文字通り誰がやってもそれなりの成果があがるわけです。そして、その作業から解放された自分は、さらに付加価値の高い仕事に集中する。このサイクルがうまく回っていくことで、組織としての優位性・生産性を高めていくことが可能になるのだと思います。
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