頭の回転が50倍速くなる脳の作り方
苫米地さんの本は初めて読みましたが、なかなか面白い本でした。
英語などの語学力を身につけたい場合や、新しい分野の勉強をする場合、最速で知識を吸収して活用できるようになるためには、「新しい脳」をつくる必要があると説いています。そしてこの「新しい脳」は「抽象度を上げる」ことで開発できるようです。
「抽象度を上げる」というのは、「部分ではなく全体を見る」ことや「本質をつかむ」ことを含んでいるのだと私は理解しました。
抽象度を上げて脳の力をフル活用するためには、いわゆる丸暗記という方法がまったく役にたたないことにも言及されています。また、リラックスが重要であること、脳の並列処理には集中が必要であることも説明されています。
この本は文字数が少ないのですぐに読めてしまいます。しかし、「抽象度を上げる」という概念が独特なので、一度読んだだけでは、著者の意図するところをすべては読み取れない気がします。このため、もう1回ぐらいは読み返した方が良さそうだと思いました。
本書の後半で『夢をかなえる「新しい脳」のつくり方』として、過去、未来、パラレルワールド、抽象度を利用したイメージ化の方法が紹介されています。面白そうなので、私もこのメソッドを試してみたいです。その前に、先日読んだ「富豪塾」を参考にして、未来の目標を具体化しておいた方がよさそうです。
「時間は未来から過去に流れている」という言葉がでてくるのですが、とてもパラドキシカルな表現でびっくりしました。しかし、この章を読んだ後だと、すんなり納得できてしまうのが不思議です。
最後の「あとがき」も非常に興味深い内容でした。認知科学、量子力学(不確定性原理)、ゲーデルの不完全性定理・・・などの話題がでてきて、知的好奇心がくすぐられます。「自由とは何か」というテーマが、不確定性原理と絡めた視点で語られていているのも面白いです。
そして、仏教でいうところの「空」と「無明」について、著者ならではの解釈も出てきます。このように「空」を不完全性定理と絡めた解釈はなかなかないと思うので、新鮮で楽しめました。
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