サブプライム後に何が起きているのか
わかりやすくて、読みやすい本でした。新書のため価格も680円と安いので、初心者向けの解説本として価値ある本だと思います。
サブプライム問題が起こった原因と背景、各登場人物(消費者、銀行、証券会社、格付機関、モノライン保険会社、国富ファンド・・・)の役割をわかりやすく解説してくれます。
「サブプライム問題」とは、米国の不動産と「サブプライム住宅ローン 証券化商品」のバブル崩壊を発端とした、世界的な金融危機だということになるのですね。この「証券化商品」が、問題に大きく関わっているわけですが、その背後には証券会社の戦略・思惑があったようです。しかし、バブルは永遠に続くわけではなく、やはりいつかは崩壊するものなのだということをあらためて考えさせられました。
金融機関の損失が莫大となった原因は、証券化商品の自転車操業と、レバレッジ戦略にあるようです。確かにレバレッジをかけた場合、思惑通りに進んでいれば大きな利鞘が得られますが、一度逆の方向に進んでしまうと莫大な損失をこうむることになってしまいますね。
また、バブル崩壊が加速した背景として、証券化商品への信用崩壊があげられます。格付機関の「格付」とはいったい何だったのか・・・ということを考えさせられました。
本書後半の2つの章では、「世界金融維新」「日本は昇るのか、沈むのか」というテーマで著者の考察が述べられています。サブプライムとは直接関係のない内容ではありますが、今後の世界の潮流や投資の方向性を考える上で、思考の呼び水となってくれそうです。
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