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Sunday, May 25, 2008

BPMがビジネスを変える

Bpm_biz 日本ユニシスのBPMコンサルタント(統括パートナー)の方が書かれた本です。まさに著者渾身の一冊というか、中身の濃い本でした。きっと著者がこれまで歩まれてきたコンサルタント人生が凝縮されているのだろうなーと、感心しながら読ませていただきました。

先日読んだ「詳説ビジネスプロセスモデリング」では、BPMで分析したプロセスをシステムに落とし込む際の技術的なアーキテクチャを扱っています。一方、この本ではBPMプロジェクト自体をどのように推進し、業務に取り入れ、改善のプロセスを回していくのかを解説しています。そういった意味では、ビジネス寄りの本なのですが、後半(第5章以降)では、システム・実装寄りの話も展開されていますので、このあたりはIT技術者にとっても興味深いところだと思います。

第5章:
SOAとの絡みや、日本ユニシスにおいて、BPM・SOAプロジェクトを推進していくためのアプローチが紹介されています。このアプローチでは、以下の3つの観点からシステム化を行っているようです。

SOA Analyze
BPMアプローチに基づいて現状業務の状態を可視化し、最適化したビジネスプロセスを設計する。汎用性の高い「サービス」としての括りの候補を抽出する。

SOA Architect
サービスの機能定義を行い、既存システムとの整合性を取りながら、実装可能なサービスを定義する。

SOA Apply
具体的な既存システムとの連携方式や実行基盤となるプロダクトセットを決定する。

第6章
一般的に、システムの開発と導入自体が目的化してしまうことはよくあることだと思います。しかし、システム導入後に業務プロセスをKPIで評価・改善してこそ、BPMの本来の目的を果たせることになります。そのためには、業務プロセスの効率や状況を評価する指標(KPI)を要件定義フェーズから検討しておくことが必要だと述べています。そして、技術的にはPPMやBAMといった仕組みにより、運用後の業務プロセスを可視化することになります。

前半も読み応えあり:
本書の前半では、SCM・CRM・内部統制などの局面において、BPMを推進することのメリットや考え方についても触れられています。この辺も興味深いところです。実はこの辺りは、まだちゃんと読んでいないのですが、これから一通り読んでおこうと思います。(技術者としては、技術や製品ばかりを追いかけてしまい、業務の観点がおざなりになってしまいがちです。ちょっと反省・・・)

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