問題解決プロフェッショナル
今流行りの「地頭力」を鍛えるための思考法(仮説思考)や思考ツール(MECE・ロジックツリー)について解説した実践テキストです。
この本を買ったのは、もう6年ぐらい前になります。当時、私は戦略思考やロジカル・シンキングに興味があって、その手の本を結構読んでいたのでした。実際そのころは、ロジカル・シンキング系の書籍・雑誌がいろいろと出版された年でした。しかし、それらの考え方を知識としては理解したものの、あまり実践せずに現在に至ってしまった気がします。ところが最近、勝間さんの本を読んだり、細谷功さんの講演会に参加したりする中で、あらためて「仮説思考」や「MECE」というキーワードに触れる機会が多くなってきました。そこで、「問題解決プロフェッショナル」を再度読んでみようと思ったわけです(今回この本を読んだ「直接」の理由は、友人のmixi日記に触発されたためなのですが・・)。
久しぶりに本を開いてびっくりしたのは、この本の初版が1997年であったことです。今から10年以上前にすでに、思考のツールを体系化したこの書籍が出版されていたのですね(古くは、1975年に出版された大前研一さんの「企業参謀」などもあります)。この書籍の内容を本当に自分のものとして、実践することができていたら、自分のキャリアもまた違ったものになっていたかもしれないなーなどと思ってしまいます。しかしそれはさておき、自分にとって意味があるのは、今このタイミングで再びこの本に出会ったという事実です。そして今後、この手法をいかに実践し、仕事に活かしていくかということです。
この本は構成自体がわかりやすくて、読み進めるたびに頭の中がクリアになっていく感じが心地よいです(ただし、第3章以降は応用問題のため、多少複雑ですが)。
- 第1章 思考編
問題解決を行う上で絶対に必要な2つの思考法(ゼロベース思考・仮説思考)を理解します。 - 第2章 技術編
問題解決を行う際に必要な2つのツール(MECE・ロジックツリー)の使い方を理解します。 - 第3章 プロセス編
前章までに学んだ思考法とツールを利用して、実際に問題解決を行うためのプロセス(著者は、このプロセスを「ソリューション・システム」と呼んでいます)を理解します。 - 第4章 実践編
前章で学んだ「ソリューション・システム」を実際の現場で活用した事例を通して、問題解決のプロセスを実体験します。
思えば、これまでSEや技術コンサルティングの仕事を通して、MECEやロジックツリーの考え方については、無意識のうちに多少は鍛えられていたのかなーと思います。例えば、システムの不具合原因を突き止める過程がMECEでなかったり、ロジックツリーが曖昧であると調査に時間ばかりかかってしまいますし、誤った結論に達してしまうこともあるからです。
しかし、これまでSEをやってきた中では、従来の延長線上で物事を考えることが多かった気がします。今後の自分のキャリアにおいては、「自ら課題を見つけて新しい解決策を提案していく」ことがより求められるようになっていきそうです。そのためには、「ゼロベースで考える」ことや「常に仮説検証のサイクルを回してアクションにつなげていく」ことを常日頃から意識していく必要があります。そういった意味では、まさにベストなタイミングで本書に再会できて良かったなーと思います。
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